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神経科について
「けいれんした」「足がもつれる」「立てなくなった」「性格が急に変わった」などの症状は、脳や脊髄、末梢神経など、神経系の異常が原因かもしれません。神経科では、こうした症状の原因を正確に突き止め、痛みや不調を緩和し、動物たちが快適に暮らせるようサポートする医療を行います。当院では、必要な検査を適切な範囲で行うことで、動物への負担を最小限に抑えた治療を心がけています。また、必要に応じて連携施設の紹介にも対応しています。
神経症状の一例
- 突然のけいれん、発作
- 体の一部がふるえる、震える
- 足を引きずる、もつれる、立てない
- 歩行がふらつく、まっすぐ歩けない
- 首や体を触ると「キャン」と鳴く
- ぐるぐると回る、方向感覚を失う
- 急に眼が見えなくなる
- 性格が変わったように感じる
これらの症状が見られた場合は、早期に神経科の受診をご検討ください。
代表的な神経疾患
てんかん
突然のけいれん発作が特徴的な慢性の脳疾患です。血液検査やCT・MRIなどで診断し、発作の頻度や重症度に応じて抗てんかん薬による治療を行います。
発作時のポイント
意識がないため、苦しんでいるように見えても動物は痛みを感じていません。発作前後の様子や持続時間を記録、可能であれば動画撮影も診断の参考になります。
椎間板ヘルニア
脊椎の間にある椎間板が突出し、脊髄を圧迫することで痛み・麻痺・歩行障害などを引き起こす病気です。ダックスフンドなどの軟骨異栄養犬種に多く見られます。治療は内科的療法（安静・鎮痛）と外科的療法に分かれます。
胸腰部
後肢の麻痺、背中の痛み、運動失調などの症状があります。
頸部
首の痛み、食欲低下、震え、パンティング（多呼吸）などの症状があります。
前庭障害
平衡感覚をつかさどる神経が障害されることで、首の傾き（斜頸）、眼球の揺れ（眼振）、ふらつき、嘔吐などの症状が見られます。高齢犬に多く、突然症状が出ることが多い疾患です。
検査
原因の特定には、耳鏡検査・血液検査・CT/MRIなどが有効です。
治療
抗炎症薬・ビタミン剤などの投与により、早期対応で1週間以内の回復が期待されるケースもあります。
検査と診断の流れ
神経科診療では、症状の出方や部位を分析し、神経のどの部位に異常があるかを推測（神経症候学）することから始まります。
主な検査
神経学的検査
歩き方や反応、姿勢の変化などから、神経のどの部位に異常があるのかを判断します。病変の場所と重症度を見極めるうえで、診断の基礎となる重要な検査です。
画像診断（CT・MRI）
脳や脊髄、骨の変形などを詳しく確認するために、CTやMRIを使用します。椎間板ヘルニアや脳腫瘍など、レントゲンでは見えにくい異常の診断に有効です。
血液検査・耳鏡検査・電気生理検査
内科的な異常の除外や、外耳からくる神経症状の確認、神経伝達の評価など、必要に応じて補助的に実施します。
当院までご相談ください
神経疾患は突然重症化することがあり、迅速な診断と適切な治療の開始が予後を左右します。京都市伏見区のひさだ動物病院では、五感を使った細やかな診察と、動物の負担を減らす適切な検査設計を行いながら、飼い主さまとの対話を大切に診療を進めています。神経に関する違和感や不安があれば、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
