- HOME>
- 呼吸器科
呼吸器科について
咳が続く、息が荒い、鼻が詰まっているなどの症状は、呼吸器の異常から起こっている可能性があります。呼吸器科では、鼻・咽頭・喉頭・気管・気管支・肺・胸腔といった呼吸器系全体の異常に対応し、必要に応じて外科・内科の両面から治療を行います。また、呼吸の問題は肺だけでなく、心臓や腫瘍など他の病気が関係していることも多いため、全身の状態を総合的に診ながら原因を特定していく必要があります。
呼吸器疾患で見られる主な症状
以下のような症状が見られた場合は、呼吸器疾患が疑われます。小さな変化も見逃さず、早めの受診をおすすめします。
- 咳をする（湿った咳、乾いた咳、えずくような咳）
- 呼吸が早い・浅い、苦しそうに見える
- チアノーゼ（舌や歯茎が青紫色）
- 鼻水・鼻づまり・鼻血
- くしゃみ・逆くしゃみ
- 声が変わる、鳴き声がかすれる
- 睡眠中のいびき・無呼吸
- 呼吸時に異常な音がする（いびき、スターター音）
犬と猫に多い呼吸器の病気
犬と猫に多い呼吸器の病気
気管虚脱
気管が扁平化して呼吸困難や咳を引き起こす病気です。小型犬や中年齢以降の犬に多く、進行すると咳が慢性化します。重症例では外科手術や内視鏡検査が必要となる場合もあります。
軟口蓋過長症
軟口蓋が通常より長く、気道を塞ぐことにより、吸気障害やいびきを引き起こします。就寝中の呼吸困難が見られることもあり、外科手術が必要になるケースがあります。
短頭種気道症候群
パグやフレンチブルドッグなどの短頭種に多く見られる先天的な気道の構造異常です。外鼻孔狭窄・軟口蓋過長・喉頭小嚢の反転などが関係し、重度の場合は命に関わることもあります。
細菌性・真菌性肺炎
誤嚥や感染によって発症し、咳・発熱・呼吸困難などが見られます。慢性化することもあり、早期の治療が重要です。
肺腫瘍
高齢の犬に多く、症状が出にくいため、健康診断で偶発的に発見されることもあります。進行すると咳や呼吸困難が見られます。
猫に多い呼吸器疾患
猫喘息
猫が自然発症する喘息は、咳や呼吸困難、喘鳴（ゼーゼー音）が見られます。アレルギーが関係しており、慢性的な気道の炎症が特徴です。診断には複数の検査を組み合わせる必要があります。
猫の上部気道感染症
猫カリシウイルスや猫ヘルペスウイルスによる感染で、くしゃみ・鼻汁・流涙・口内炎などが見られます。感染力が高く、多頭飼育環境では注意が必要です。
肺炎（ウイルス性・細菌性）
免疫力が低下している猫や子猫に多く見られ、発熱・頻呼吸・湿った咳などの症状があります。肺音に異常が出るため、聴診・X線・血液検査が有効です。
肺腫瘍
犬と同様、高齢の猫で見つかることがあります。症状が出にくく、発見が遅れることもあります。
検査・診断方法
呼吸器の異常は、症状だけでは原因の特定が難しいため、複数の検査を組み合わせて診断します。
身体検査・問診
呼吸音の聴診、体の動きや色の変化などをチェックし、症状の発現タイミングや経過を確認します。
血液検査（CRP含む）
感染・炎症の有無を確認します。特にCRPの上昇は肺炎などの炎症性疾患を示唆します。
画像診断（レントゲン・超音波）
肺・気管・胸腔の状態を可視化し、異常な影や腫瘤、胸水の有無を評価します。心臓病との鑑別も同時に行います。
気管支鏡検査・BAL（気管支肺胞洗浄）
難治性・慢性化したケースでは、より精密な検査が必要です。麻酔下での実施となります。
飼い主さまへのお願い
呼吸器症状は来院時に消えていることもあるため、咳やいびき、呼吸の様子をスマートフォンなどで動画撮影してご持参ください。また、かかりつけ病院での治療歴・レントゲン画像・血液検査結果などがある場合は、紹介状とあわせてご持参いただくとスムーズです。
当院までご相談ください
咳や呼吸の異常は、動物にとって命に関わる重大なサインかもしれません。京都市伏見区のひさだ動物病院では、呼吸器の構造や種・品種の特性をふまえた丁寧な診断と治療を心がけています。症状が軽いうちに診察を受けることで、動物の負担を抑え、早期の回復にもつながります。「いびきがひどい」「最近呼吸が荒い」といった小さな気づきでも、ぜひお気軽にご相談ください。
